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毒素が腸から漏れると万病のもと???

2016/09/13 健康
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chou (15)

よく友達とバーベキューにいったとき、海外旅行でおいしいものを食べた時に、自分だけお腹が急に痛くなって激しい下痢に襲われているのに、友達は全然平気な顔をしている、といった経験がある人もいるのではないでしょうか。

もしくはその逆もあるかもしれません。よく私はお腹が丈夫だから、とか逆にすぐにお腹を壊す、お腹が弱いからと言われていますが、このお腹の強さの差はいったいどのようにして生まれるのでしょうか。実は、このお腹の強さの差というのは「細菌が出す毒素が腸から漏れるとそれが万病のもとになる」ということに深く関係しています

毒素が漏れる腸とはいったい何なのか、また、漏れない腸にして、お腹を強くする方法があるのか、そんなお腹の強さの本当の秘密についてご紹介します。

 

健康効果のあるビフィズス菌と効果のないビフィズス菌がいる!!?

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お腹を壊しやすい人、壊しにくい人の違いには、腸内細菌が深く関係しています

食中毒のニュースでおなじみの病原性大腸菌O-157を無菌マウスに投与すると、腸にひどい炎症がおこり、1週間ほどで、死んでしまいます。しかしマウスにあらかじめある種のビフィズス菌を与えておくと、O-157を投与しても、なんと死ななくなります。

つまりビフィズス菌には食中毒を予防する効果があるのです

ですが、面白いことに、同じ「ビフィズス菌」であっても、O-157による感染死を予防できる菌とできない菌がいます。細菌には「種」という分類の下に「株」というさらに細かい分類があります。

人間という種も細かくみれば、人種、家系と分かれていますが、これと同じです。O-157による食中毒を防げる予防株と、防げない非予防株のビフィズス菌がいるのです。

いったい何が違うのでしょうか。

その違いは「予防株のビフィズス菌は私たちの腸の細胞に働きかけることで、食中毒を予防している」ということでした。

ビフィズス菌の出す物質の1つに「酢酸」があります。この酢酸は腸の細胞を活性化し、余計なものが体に入らないようにする「バリア機能」を高める力があることがわかっています。そして予防株のビフィズス菌を与えられたマウスの腸内では、非予防株のビフィズス菌を与えられたマウスを比べて、酢酸の量が2倍以上にもなっていました。

食中毒を予防するビフィズス菌は、酢酸を作る能力が高い菌であり、O-157の毒素が血液中に漏れ出さないようにしていたのです

いわゆる善玉菌のなかにも、「株」という細かいレベルで見ると、健康効果があるものと、ないものがあります。ほんのわずかな腸内細菌の違いが、私たちがお腹を壊しやすいか、壊しにくいか、その境目になっているのです。

 

食中毒だけじゃない!!毒素が腸から漏れると、糖尿病になる???

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腸内フローラのバランスが崩れてしまうと、腸のバリア機能が著しく低下します。腸のバリア機能が低下すると、腸のさまざまなものが、血液中に入ってくるようになります。こうした状態を「漏れる腸」と呼び、英語では「リーキー・ガット」と呼びます。

実は今、この「漏れる腸」が重大な慢性病、つまり糖尿病を引き起こす原因になると考えられるようになってきました。

2014年、順天堂大学と、ヤクルトの共同研究によると、糖尿病患者の血液中には、「生きた腸内細菌」が存在していました。この血液中に腸内細菌がいることはいいことなのでしょうか。それとも、悪いことなのでしょうか。

これは、基本的に悪いことです。

血液中に生きた細菌がたくさんいたら、「敗血症」という危険な状態になり、死に直結します。

ただ今回みつかった細菌の量は敗血症を引き起こすほどのものではありません。この研究では、ヤクルト中央研究所が開発した、ごくわずかな細菌でも検出できる特殊な装置を使って行われています。この装置を使うと、糖尿病でない人も50人中2人、血液から生きた細菌が見つかりました。しかし糖尿病患者では、その数がなんと7倍にもなりました。50人中14人も血液中に細菌が見つかりました。

通常、腸内細菌は、腸の壁にブロックされ、血液中に侵入することはできません。しかし、腸のバリア機能が低下し、「漏れる腸」になってしまうと、細菌が血液中に侵入してしまうと考えられます。細菌の侵入を許してしまうような「漏れる腸」は糖尿病を悪化させる大きな要因となっている可能性があります。

そもそも糖尿病は糖を分解するインスリンを分泌する「すい臓」が悪くなる病気、というわけではありません。インスリンの働きが悪くなってしまうことが原因で引き起こされるのが糖尿病です。ではインスリンの働きが悪くなる原因は何なのでしょうか。それは全身の炎症のせいであると考えられるようになってきました。

炎症とは、人の体の中でおきる、「戦闘状態」のようなものです。例えば、悪い菌が体に侵入すると、その周囲は菌との戦闘状態となり、赤くなって腫れてしまいます。

糖尿病患者では、全身の血管が弱い炎症状態になっていることがわかってきました。炎症を引き起こしている周囲の細胞では、インスリンがうまく働かない状態になります。そのため、全身の炎症は、糖尿病の引き金となります。

脂肪細胞が肥大化すると、さまざまな有害物質を出して糖尿病を引き起こしますが、その有害物質の中には、炎症を増悪させる物質も含まれます。そして全身の炎症状態を招くのは、肥大化した脂肪細胞だけではありません。外敵である細菌も当然、炎症を引き起こします。

糖尿病患者は血液中のLPSという物質の濃度が高いことがわかっています。LPSは腸内細菌が出す毒素の一種です。腸のバリア機能が衰えて「漏れる腸」になってしまうと、こうした毒素が血液中に漏れ出してしまいます。

「腸内細菌がだす毒素が全身の血管を弱い炎症状態に導き、糖尿病の引き金となる」ということが最新の研究でわかったことです。

 

腸のバリア機能を高めるためにはどうすればいい??

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では糖尿病患者は腸のバリア機能が低下してしまったのでしょうか。そして腸のバリア機能を元に戻すには、どうしたらいいのでしょうか。

そのポイントもやはり「腸内細菌」です。

食中毒の話でも、腸内細菌が出す「酢酸」に腸のバリア機能を高める力があることを説明しましたが、酢酸は短鎖脂肪酸という酸の一種です。私たちの腸壁の細胞は腸内細菌がだすこの「短鎖脂肪酸」をエネルギー源としています。

腸内フローラのバランスが乱れて、「短鎖脂肪酸」の生産量が減少すると、腸の細胞が活力を失って、バリア機能が低下してしまいます。

「短鎖脂肪酸」は肥満、糖尿病、アレルギーに関係しているのです。

関連:糖尿病と腸内環境の意外な関係

 

ですから、腸のバリア機能を高めるためには「短鎖脂肪酸を増やす、食物繊維が多めの食生活をする!」ことがとても重要です

逆に、高脂肪、高カロリーの偏った食生活を送っている人は、血液中に腸内細菌がだすLPSという毒素の濃度が非常に高いこともわかっています。「漏れる腸」になりたくなければ、偏った食生活を改善することが重要です。

ただし、1つ注意点があります。日本人の高齢者ではたんぱく質不足が大きな問題となっています。年齢を重ねるにしたがって、脂っこいものが苦手になり、極端にお肉が少ない食生活を送る方が増えています。たんぱく質不足が続くと、筋力が低下し、寝たきりの原因になります。ですから、食物繊維多め、肉も魚も適量に摂取するということが大切です。

 

腸から菌が漏れると、「動脈硬化」や「がん」になりやすい!!?

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腸のバリア機能が低下し、漏れる腸になってしまうと、全身に炎症が引き起こされやすい状態になります。この全身の炎症は糖尿病だけを引き起こすだけでなく、なんと「動脈硬化」と「がん」も引き起こしやすくなります。

関連:腸内細菌と動脈硬化の意外な関係!!

 

心臓病や、脳卒中の原因となる「動脈硬化」は血管の壁にコレステロールがたまってしまった状態です。ですが、実は動脈硬化した血管の中にたまっている汚れのほとんどは、コレステロールではなく、白血球の死骸です

悪玉コレステロールが血管の壁にこびりつくと、白血球の一種であるマクロファージが食べてくれます。しかし、マクロファージはこの悪玉コレステロールを消化することができないので、どんどんためこみ、最後には死んでしまいます。

こうしたマクロファージの死骸がどんどんたまって、血管の壁が厚くなってしまうのが、動脈硬化なのです。つまり、マクロファージが集まってきて余計なことをしなければ、動脈硬化は悪化せずにすみます。

ではどうしてマクロファージは集まってきてしまうのでしょうか。そこに全身の炎症が関係しているのです。

「漏れた腸」になると、血液中に毒素や生きた菌が漂い、白血球は常に戦闘状態、つまり炎症状態になってしまいます。そのため、マクロファージは、仲間をよびだし、炎症性の物質をだします。そしてあっという間に大量のマクロファージが血管に呼び出され、消化できないコレステロールを食べ続けます。そして、この暴走したマクロファージによって動脈硬化が引き起こされしまうのです。

 

「漏れる腸」は「がん」も引き起こす!!

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腸から毒素が漏れ、全身の炎症が続くと、がんになりやすくなります。肝炎が悪化すると、肝臓がんに発展します。ピロリ菌が原因の胃がんも最初は胃炎が起こることから始まります。

ある種の炎症性サイトカインはがんを促進する効果が確かめられています。ですから、全身の炎症を引き起こす漏れる腸は、がんを引き起こす要因となってしまうのです。

 

まとめ

  • 漏れる腸とは腸内フローラが乱れ、腸のバリア機能が低下した状態
  • お腹をこわしやすい人は、腸内フローラが乱れ、漏れる腸になっている
  • 漏れる腸血管にさまざまな毒素の侵入を許し、全身の炎症を引き起こす
  • 全身の炎症が漏れる腸によって引き起こされると、糖尿病を引き起こす
  • 漏れる腸は糖尿病以外にも、動脈硬化やがんの原因になる
  • 漏れる腸を予防するために、食物繊維多めの食生活を送ることが大切

 

ぜひ、普段から腸内環境にいい食物繊維多めのバランスのとれた食生活を送るようにしましょう。

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