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クローン病の基本。クローン病の診断と治療法とは?

2016/08/15 知識
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クローン病という病気はなんとなく聞いたことがあるという人が多いかと思いますが、実際にどんな病気なのかわからないという方がほとんどではないでしょうか。

そんなクローン病はどんな病気なのか、症状やその治療方法などについて基本的なことをご紹介していきます。

 

クローン病ってどんな病気??

 

クローン病とはいったいどんな病気なのでしょうか。

クローン病は炎症性腸疾患のひとつで、1932年にニューヨークのマウントサイナイ病院の内科医クローン先生らによって限局性回腸炎としてはじめて報告された病気です。クローン病とは、小腸、大腸を中心とする消化管に炎症を引き起こす病気です。大腸や小腸にびらんや潰瘍を引き起こします。クローン病は腹痛、下痢、下血、体重減少、発熱といった症状が見られます。

好発年齢は20代ですが、他の年代にもみられます。欧米に多く、日本では比較的少ない疾患ですが、最近患者数が増えています。潰瘍性大腸炎と似ている点も多いです。

大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称を炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といいますが、潰瘍性大腸炎とクローン病はこのIBDと呼ばれる病気です。

クローン病は口から、肛門まで、消化管のどの部位にも起こりえます

ただし、好発部位は小腸と大腸です。特に多く見られるのは、特に小腸末端部が好発部位です。クローン病は病気と病気の間に正常な健康な部分があります。これを非連続性の病気といい、クローン病の特徴といえます。

 

日本でのクローン病の患者数はどれくらいいるの???

 

日本のクローン病の患者数は特定疾患医療受給者証交付件数でみると1976年には128人でしたが、平成25年度には39,799人となり増加がみられています。ただし、人口10万人あたり27人程度、アメリカが200人程度ですので、アメリカの約10分の1です。

発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳が最も多くみられます。男性と女性の比は、約2:1と男性に多くみられます。

世界的にみると、先進国に多く北米やヨーロッパで高い発症率を示します。衛生環境や食生活が大きく影響し、動物性脂肪、タンパク質を多く摂取し、生活水準が高いほどクローン病にかかりやすいと考えられています。喫煙をする人は喫煙をしない人より発病しやすいと言われています

 

クローン病の原因はいったい何???

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クローン病の原因は、遺伝的要因とこの遺伝的な原因による腸内での異常な免疫反応とされています。しかし、まだまだクローン病は解明されていない部分が多い難病です。

食生活の欧米化によって患者数が増えているといわれ、食物中の物質や微生物が抗原となって異常反応を引き起こすことおも、原因のひとつと考えられています。

クローン病の原因として、遺伝的な要因が関与するという考え方が主流ですが、結核菌類似の細菌や麻疹ウイルスによる感染症が原因ではないかともいわれています。

他にも、食事の中の何らかの成分が腸管粘膜に異常な反応を引き起こしているという考えもあります。

クローン病は、腸管の微小な血管の血流障害説などが報告されていますが、いずれもはっきりと証明されたものは残念ながらありません。

最近の研究では、なんらかの遺伝的なものが原因で、食事や腸内細菌に対して腸に潜んでいるリンパ球などの免疫を担当する細胞が過剰に反応して病気の発症、増悪にいたると考えられています。

ただ遺伝的な原因といわれているので、どうしてもクローン病は遺伝すると思われていますが、クローン病は遺伝病ではありません。

クローン病を引き起こす可能性の高い遺伝子がいくつか報告されていますが、現在のところ、単一の遺伝子と関連して発症するのではなく、いくつかの遺伝子と環境因子などが複雑に絡み合って発症していると考えられています。

 

クローン病のどういった症状があるの??

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クローン病には以下のような症状があります。

  • 下痢
  • 腹痛
  • 発熱
  • 体重減少
  • 体がだるい

クローン病は血便はあまりはっきりしないこともあり、下痢や下血が軽度の場合、なかなか診断がつかないことがあります。また、口の中に潰瘍ができたり、痔や肛門の周囲に膿がたまってしまったりする肛門周囲膿瘍を合併することもあります。また、消化管以外にも症状が現れることがあります。関節の痛みや、皮膚が腫れたり、眼もブドウ膜炎をひきおこすこともあります。

クローン病の症状は患者さんによってさまざまで、侵される病変部位(小腸型、小腸・大腸型、大腸型)によっても異なります。

 

クローン病の検査と診断とは??

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最初に血液検査を行います。血液検査の結果から、クローン病を疑うことができます。さらにエックス線検査が行われ、特徴的な所見が認められた場合に診断されます。

画像検査としては主に大腸内視鏡検査や小腸造影、内視鏡検査などが行われます。内視鏡検査や手術の際に同時に採取される検体の病理検査の所見や、肛門病変の所見などが診断に有用な場合もあります。

潰瘍性大腸炎とは異なり、消化管の全体的に起こる可能性がありますが、好発部位としては、小腸と大腸のつながるところ回盲に最もおきやすいですので、内視鏡検査で確認します。

関連:潰瘍性大腸炎の基本

病変が小腸のみにある小腸型、大腸のみにある大腸型、両方にある小腸大腸型に分類されます。クローン病の特徴は、縦走潰瘍といって、消化管の縦方向に沿ってできる細長い潰瘍が特徴的です。組織を顕微鏡で見ると、「非乾酪性類上皮細胞肉芽種」という特徴的な所見があります。

このようにいくつか検査をして、診断します。

 

クローン病の治療の方法とは???

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クローン病にはいくつかの治療方法があります。そのいくつかの治療方法をご紹介します。

 

栄養療法・食事療法

クローン病は低栄養の症状があります。そのため、栄養状態の改善の必要があります

クローン病は栄養状態の改善だけでなく、腸管の安静と食事からの刺激を取り除くことで腹痛や下痢などの症状の改善と消化管病変の改善が認められます。 クローン病の栄養療法には経腸栄養と完全中心静脈栄養があります。経腸栄養療法は、抗原性を示さないアミノ酸を主体として脂肪をほとんど含まない成分栄養剤と少量のタンパク質と脂肪含量がやや多い消化態栄養剤を腸に直接、注入する治療方法です。

完全中心静脈栄養は高度な狭窄がある場合、広範囲な小腸病変が存在する場合、経腸栄養療法を行えない場合などに用いられます。 病気の活動性や症状が落ち着いていれば、通常の食事が可能ですが、食事による病態の悪化を避けることがクローン病にとって最も重要なことです。一般的には低脂肪・低残渣の食事が奨められていますが、個々の患者さんで病変部位や消化吸収機能が異なっているため、主治医や栄養士と相談しながら自分にあった食品を見つけていくことが大事です。

 

内科治療

クローン病の症状のある活動期には、主に5-アミノサリチル酸製薬(ペンタサやサラゾピリン)、副腎皮質ステロイドや免疫調節薬(イムランなど)などの内服薬が用いられます。5-アミノサリチル酸製薬と免疫調節薬は、症状が改善しても、再燃予防のために継続して投与が行われます。また、これらの治療が無効であった場合には、抗TNFα受容体拮抗薬(レミケードやヒュミラ)が使用されます。薬物治療ではありませんが、血球成分除去療法が行われることもあります。

ただし、食べ物が原因のひとつとして考えられているため、栄養療法も重要で、最も重症の時には絶食と中心静脈栄養も並行して行われます。

少しよくなってきたら、成分栄養剤(エレンタール)という脂肪や蛋白質を含まない流動食を開始します。成分栄養剤は栄養状態改善のためにも有効です。炎症が改善し普通食に近いものが食べられるようになっても、脂肪のとりすぎや食物繊維の多い食品は避けます。

 

外科治療

クローン病は基本的には手術はしませんが、高度の狭窄や穿孔、膿瘍などの合併症に対しては外科治療が行われることがあります。その際には腸管をできるだけ温存するために、小範囲の切除や狭窄形成術などが行われます。

 

内視鏡的治療

クローン病の合併症のうち、狭窄に対しては、内視鏡的に狭窄部を拡張する治療が行われることもあります。

 

クローン病に気づいたらどうすればいい???

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クローン病は長期にわたって慢性に経過する病気であり、治療を中断しないことが大切です。治療の一部として日常の食事制限が必要なことが多く、自己管理と周囲の人たちの理解が必要です。症状が安定している時には通常の社会生活が可能です。

厚生労働省の特定疾患に指定されており、申請すると医療費の補助が受けられます。まず、症状に気づいたら、消化器内科などの病院を受診し、適切な治療をすぐに受けましょう。

 

クローン病には予防方法はあるの???

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クローン病の予防方法は残念ながら、確立されていません。

食事方法を改善したり、適度なカロリーとビタミン、タンパク質を摂取することは栄養失調や体重減少を防ぐ意味で重要ですが、クローン病を予防するかどうかはわからないというのが現実です。ただ、クローン病は下痢の症状が悪化するので、下痢を悪化させるような食事は避けたほうがいいでしょう。症状を悪化させたり改善したりする食事は人によって異なります。

また、クローン病が結腸で起こった場合は特に、それと合併して結腸がんのリスクが高まります。そのため、クローン病患者は結腸内視鏡検査を定期的に受けるため、一般の人よりも初期の段階で結腸がんが見つかります。

ただ、最新の研究で、遺伝的な原因とあわせて、腸内の免疫反応の過剰が言われています。腸内の免疫反応は腸内細菌が大きく関係しているといわれています。

普段からバランスのとれた食生活を送り、発酵食品を積極的に摂取して、腸内環境を改善することも予防には必要ではないかと考えられます。

ぜひ、普段から腸内環境を改善することを心がけましょう。

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