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潰瘍性大腸炎の基本。潰瘍性大腸炎の症状と診断、治療法とは?

2016/07/13 知識
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fukutsu (10)

お腹が急に痛くなって、激しい痛みが襲うとお腹の病気なのかな?と心配になりますよね。

そこで、腸の病気として、有名な「潰瘍性大腸炎」について、いったいどんな病気なのか、治療方法や予防についてご紹介していきます。

 

潰瘍性大腸炎とはどんな病気???

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潰瘍性大腸炎と聞くと、大腸の病気ではあることがなんとなくわかるもの、実際はどのような病態かを知っているという人は少ないかと思います。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)に潰瘍ができる大腸の炎症性の病気のことをいいます。特徴的な症状としては、下血を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。潰瘍性大腸炎は直腸から連続的に、上に向かって(つまり口側に向かって)広がる病気です。重症の場合は、直腸から結腸というところにまで拡がります。

潰瘍性大腸炎は病変の拡がりや経過などにより下記のように分類されます。

  1. 病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎
  2. 病期の分類:活動期、寛かい期
  3. 重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症
  4. 臨床経過による分類:再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型

 

潰瘍性大腸炎の患者数はどれくらいいるの???

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日本における潰瘍性大腸炎の患者数は166,060人(平成25年度末の医療受給者証および登録者証交付件数の合計)、人口10万人あたり100人程度です。非常に少ないように感じるかと思いますが、アメリカと比較すると、半分以下の発症率です。

 

潰瘍性大腸炎の好発年齢は???

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潰瘍性大腸炎の発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳とされています。ただし、好発年齢というだけであり、若年者から高齢者まで発症します。男女比は1:1で性別に差はありません。喫煙をする人はしない人と比べて発病しにくいと言われています

 

気になる潰瘍性大腸炎の原因は???

 

残念ながら、潰瘍性大腸炎の原因は明らかになっていません。これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられていますが、まだ原因は不明です。

遺伝についてですが、潰瘍性大腸炎は家族内での発症も認められており、何らかの遺伝的因子が関与していると考えられています。欧米では患者さんの約20%に炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎あるいはクローン病)の近親者がいると報告されています。近年、世界中の研究者によりこの病気の原因を含めた特異的な遺伝子の探索が続けられていますが、現時点では遺伝に関する明解な回答は得られていません。遺伝的要因と食生活などの環境要因などが複雑に絡み合って発病するものと考えられています

 

潰瘍性大腸炎の症状とは??

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下痢(便が軟らかくなって、回数が増えること)や血便が認められます。痙攣性または持続的な腹痛を伴うこともあります。重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります。

 

潰瘍性大腸炎の診断は???

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潰瘍性大腸炎の診断は症状の経過と病歴などを聞くことから始まります。

最初に、出血を伴う下痢を引き起こす感染症と区別することが必要です。下痢の原因となる細菌や他の感染症を検査し、鑑別診断が行われます。その後、患者さんは一般的にX線や内視鏡による大腸検査を受けます。この検査で炎症や潰瘍がどのような形態で、大腸のどの範囲まで及んでいるかを調べます。

さらに”生検”と呼ばれる大腸粘膜の一部を採取することで、病理診断を行います。潰瘍性大腸炎は、このようにして類似した症状を呈する他の大腸疾患と鑑別され、確定診断されます。

 

潰瘍性大腸炎の治療方法とは??

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原則的には薬による内科的治療が行われます。しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。

内科的治療

現在、潰瘍性大腸炎を完治に導く内科的治療はありませんが、腸の炎症を抑える有効な薬物治療は存在します。治療の目的は大腸粘膜の異常な炎症を抑え、症状をコントロールすることです

潰瘍性大腸炎の内科的治療には主に以下のものがあります。

  • 5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)製薬

5-ASA製薬には従来からのサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)と、その副作用を軽減するために開発された改良新薬のメサラジン(ペンタサやアサコール)があります。経口や直腸から投与され、持続する炎症を抑えます。炎症を抑えることで、下痢、下血、腹痛などの症状は著しく減少します。5-ASA製薬は軽症から中等症の潰瘍性大腸炎に有効で、再燃予防にも効果があります。

  • 副腎皮質ステロイド薬

代表的な薬剤としてプレドニゾロン(プレドニン)があります。経口や直腸からあるいは経静脈的に投与されます。この薬剤は中等症から重症の患者さんに用いられ、強力に炎症を抑えますが、再燃を予防する効果は認められていません。

  • 血球成分除去療法

薬物療法ではありませんが、血液中から異常に活性化した白血球を取り除く治療法で、LCAP(白血球除去療法:セルソーバ)、GCAP(顆粒球除去療法:アダカラム)があります。副腎皮質ステロイド薬で効果が得られない患者さんの活動期の治療に用いられます。

  • 免疫調節薬または抑制薬

アザチオプリン(イムラン、アザニン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)はステロイド薬を中止すると悪化してしまう患者さんに有効です。また、シクロスポリン(サンディミュン)(未承認)やタクロリムス(プログラフ)はステロイド薬が無効の患者さんに用いられます。

  • 抗TNFα受容体拮抗薬

インフリキシマブ(レミケード)やアダリムマブ(ヒュミラ)といった注射薬が使用されます。効果が認められた場合は、前者は8週ごとの点滴投与、後者では、2週ごとの皮下投与が行われます。後者では自己注射も可能です。

外科的治療

多くの場合、内科治療で症状が改善しますが、以下のようなケースでは外科手術(大腸全摘術)が行われます。

  1. 内科治療が無効な場合(特に重症例)
  2. 副作用などで内科治療が行えない場合
  3. 大量の出血
  4. 穿孔(大腸に穴があくこと)
  5. 癌またはその疑い

大腸全摘術の際には、小腸で人口肛門を作る場合もありますが、近年では、小腸で便をためる袋(回腸嚢)を作成して肛門につなぐ手術が主流となっています。その場合、術後は普通の人とほぼ同様の生活を送ることができます。

 

潰瘍性大腸炎はどういった経過をたどる??

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多くの患者さんでは症状の改善や消失(寛解)が認められますが、再発する場合も多く、寛解を維持するために継続的な内科治療が必要です。また、あらゆる内科治療で寛解とならずに手術が必要となる患者さんもいます。また、発病して7,8年すると大腸癌を合併する患者さんが出てきますので、そのような患者さんでは、症状がなくても定期的な内視鏡検査が必要になります。しかし、実際に、一生のうちに大腸癌を合併する患者さんはごく一部です。重症で外科手術になる患者さんなど一部の患者さんを除けば、ほとんどの患者さんの生命予後は健康な人と同じです。

 

潰瘍性大腸炎の予防方法は???

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魚と食物繊維を意識的に食べる

油をざっくりと分類すると植物由来、動物由来、魚由来の3つに分けられます。(栄養学的に正確な分類ではありませんので了承下さい)植物由来と聞くと体に良さそうなイメージがありますが、摂りすぎると体の中の炎症作用を高めてしまう作用があります。

菓子パン、お菓子、揚げ物、インスタントラーメンなど手軽に食べられる食べ物にはほとんど植物性油脂(リノール酸)が使われているといっても過言ではありません。このような食べ物を日常的に口にしていると植物由来の油の摂取量が過剰になってしまい体の中の炎症作用が高まり潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患のリスクを高めるといわれています。

善玉菌を含んだ発酵食品を継続して摂る

潰瘍性大腸炎の新たな治療として健康な人の便を患者の大腸へ移植する臨床研究が始まっています。もちろんそのまま移植するわけではなく病原体などを入念に検査して便を生理食塩水で処理したうえで移植するようです。これは健康な人の腸内フローラを潰瘍性大腸炎の患者の大腸へ移植するという考えで始まった研究のようです。

このことからも普段から善玉菌を意識的にかつ継続的に摂ることは腸内細菌バランスを整えることに繋がり、結果として潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患の予防にもつながると考えます

関連:善玉菌の基礎知識と腸内環境を改善する役割まとめ

幼少期に決まった腸内細菌バランスを根本から変えることは難しいと思いますが、善玉菌が優位な状態に保つためには口から摂取した乳酸菌はある程度胃酸で死滅してしまうことや日々便として排出されることを考慮して普段から百億単位の乳酸菌を摂取するようにしています。

検査を定期的に受ける

潰瘍性大腸炎やクローン病は20代の中盤から後半が発症のピークです。好発年齢が過ぎてしまえば、発症のリスクがゼロになるというわけではありません。

潰瘍性大腸炎は、年齢性別にかかわらず生活習慣によって発症する可能性があるということになります。早期に発見して早期に治療を開始すれば、完治に近い状態に保てる可能性が高くなるといわれているので毎年人間ドックに入って検査を受けることが重要です。

 

まとめ

  • 潰瘍性大腸炎は下血を伴う激しい痛みを伴う症状がある
  • 潰瘍性大腸炎の原因は不明
  • 潰瘍性大腸炎の好発年齢は20代
  • 潰瘍性大腸炎の治療は基本的に内科的治療がほとんど
  • 潰瘍性大腸炎を予防するには、普段の食生活に気をつけたり、検査を受けることが大切

潰瘍性大腸炎は突然発症する、怖い病気というイメージがありましたが、その原因はわかってはいないものの、遺伝や、普段の食生活が複雑に関係して発症すると考えられています。ですから、普段から、腸のことを考えた生活を送ることがとっても重要です。

 

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